2020年2月10日

さんやカフェ

さんやカフェ | Sanya Cafe Tokyo

ホテル寿陽の一階部分を改修し、誰もが訪れやすい山谷の入り口をテーマに、『さんやカフェ』を 2018年3月にオープンしました。

コロナ禍を経て、2024年4月より再オープン。福島のアニマルライツを考えた豚肉を使った本気カレー、他にも週替わりのランチプレートとパスタセット等提供しています。

Lunch Time Menu
ランチタイムメニュー

フェアトレードで有機栽培の東チモール産コーヒー・紅茶や、フィリピン産のマスコバド糖を使った手作りのデザートを提供しています。
2024年現在、水・木・金・土曜日の11時~17時で営業しています。

Cheese cake, Gâteau au chocolat, Maccha Chiffon

2020年のコロナ禍の間にはじめた野宿生活を送る人への「ごはん配り」を引き続き行っています。(通常の「炊出し」と違って日時非公開で、ボランティア参加者がごはんを野宿の人に届けにいきます。コロナ禍でのクラスター感染を避けつつ、最も困窮している人にごはんを届けようという活動です。健康状態の思わしくない人は翌日の巡回看護に繋げます。)

また、さんやカフェ清掃隊による地域清掃後のお疲れ様会を行っています。
元野宿者の方や宿泊客の方を含めたボランティア参加者とともに地域社会に貢献する活動を行う場となっています。

なぜ山谷でカフェなのか


このまちには、地域住民、海外からの観光客、そして元日雇い労働者のおじさんたちが混在しています。ところが、そういったさまざまな人が語り合えるような場所はほとんどありません。同じ場所に暮らしていても、お互いを知らないために、誤解が生まれてしまったり、距離ができてしまうことがあります。

また、外から来て山谷を知りたいと思う人たちが、気軽に訪ねられるような場所も多くはありません。

山谷に住まう人、訪ねる人の「入口」となるようなカフェを。それがさんやカフェのコンセプトです。

旅行者には色んな人が来て色んな人が去っていく一期一会の場所。
山谷にすこし興味があるけどどこに行けばいいか分からないビギナーにも訪ねやすい場所。
山谷の日雇い労働者のおじさんたち(今は多くは簡宿の生活保護受給者の人たち)には、まちの人との挨拶を交わすきっかけになるような場所。
まちの人(地域住民)には、おじさんたちの視点にも気づくことができるような場所。
同じ場所に暮らしていて、でもお互いを知らない人たち、そして外から来て山谷を知りたいと思う人たち、それぞれのEntranceに

他にも人と人をつなぐ工夫として「思いやりコーヒー」や「地域清掃活動」を行っています。

さんやカフェ入り口とさんやカフェ清掃隊
さんやカフェ入り口とさんやカフェ清掃隊

思いやりプロジェクト 1)『思いやりコーヒー』

“Suspended Coffee”をご存知でしょうか。これはイタリアからはじまったチャリティのしくみで「コーヒーを買うことができない誰かのために自分が一杯分の代金を前払いする」という助け合いのかたちです。

 

思いやりプロジェクト 2) 『さんやカフェ清掃隊』

わたしたちが気になっていることが2つあります。

ひとつは、月末になると生活が苦しくなり炊き出し(無料で食事をふるまう活動)に並ぶ人が増えること。もうひとつは、路上にゴミを捨てる人が多いことです。

放置されたゴミに対しては、まちの人も誰がそのゴミを片づけるのかと協力することが難しい状況が続いています。

そこで、まちのゴミ拾いの活動に参加した人に無償で食事を提供する活動を始めました。何か働いた対価としてごはんを食べる、そうすることでお腹が満たされるだけではなく、みんなが少しずつまちを好きになっていくのではないか。また、清掃活動をしている内にまちの人とのあいさつを交わすようになれば、まちへの信頼感・帰属感を取り戻し、まちの一員として誇りを持てるようになっていくのではないか。そんなことを目指しています。

さんやカフェ清掃隊Facebook

2018年4月に始まった活動で、現在は毎週月曜におこなっています。2020年2月10日の地域清掃で85回目となりました。

ホテル寿陽の外国人宿泊客の方も参加されることもあり、山谷らしい多様性の中で人が交流し、社会参加を通して尊厳を取り戻し回復していく、そんな場づくりとなっています。