2020年2月10日

さんやカフェ

さんやカフェ | Sanya Cafe Tokyo

ホテル寿陽の一階部分を改修し、誰もが訪れやすい山谷の入り口をテーマに、『さんやカフェ』を 2018年3月にオープンしました。
フェアトレードで有機栽培の東チモール産コーヒーやスリランカ産紅茶を提供、フィリピン産のマスコバド糖を使った手作りのデザートを提供しています。

Cheese cake, Gâteau au chocolat, Maccha Chiffon

2020年よりグルメ雑誌に単独取材の経験もあるシェフを迎え、創作和食を中心としたカフェダイニングとして地域の新たな観光・グルメスポットとなっています。

Creative Japanese Cuisine

コロナ禍の現在、緊急事態宣言や蔓延防止重点措置に従い、ディナー時間は16時から指定された時間までの営業となります。(定休日は月曜、通常時は18時から23時までの営業となります。)
ランチ時間は11時半から15時半まで、水曜・金曜・土曜の営業となっています。

また、コロナ禍で生活困窮で苦しんでいる人が増える中、生活保護を拒否しつつ山谷で野宿生活を続ける人たちへの「ごはん配り」を行っています。



なぜ山谷でカフェなのか


このまちには、地域住民、海外からの観光客、そして元日雇い労働者のおじさんたちが混在しています。ところが、そういったさまざまな人が同じ場所に集まることはほとんどありません。同じ場所に暮らしていても、お互いを知らないために、誤解が生まれてしまったり、距離ができてしまうことがあります。

また、外から来て山谷を知りたいと思う人たちが、気軽に訪ねられるような場所も多くはありません。

山谷に住まう人、訪ねる人の「入口」となるようなカフェを。それがさんやカフェのコンセプトです。

旅行者には色んな人が来て色んな人が去っていく一期一会の場所。
山谷にすこし興味があるけどどこに行けばいいか分からないビギナーにも訪ねやすい場所。
山谷の日雇い労働者のおじさんたち(今は多くは簡宿の生活保護受給者の人たち)には、まちの人との挨拶を交わすきっかけになるような場所。
まちの人(地域住民)には、おじさんたちの視点にも気づくことができるような場所。
同じ場所に暮らしていて、でもお互いを知らない人たち、そして外から来て山谷を知りたいと思う人たち、それぞれのEntranceに

他にも人と人をつなぐ工夫として「思いやりコーヒー」や「地域清掃活動」を行っています。

さんやカフェ入り口とさんやカフェ清掃隊
さんやカフェ入り口とさんやカフェ清掃隊

思いやりプロジェクト 1)『思いやりコーヒー』

“Suspended Coffee”をご存知でしょうか。これはイタリアからはじまったチャリティのしくみで「コーヒーを買うことができない誰かのために自分が一杯分の代金を前払いする」という助け合いのかたちです。

 

思いやりプロジェクト 2) 『さんやカフェ清掃隊』

わたしたちが気になっていることが2つあります。

ひとつは、月末になると生活が苦しくなり炊き出し(無料で食事をふるまう活動)に並ぶ人が増えること。もうひとつは、路上にゴミを捨てる人が多いことです。

放置されたゴミに対しては、まちの人も誰がそのゴミを片づけるのかと協力することが難しい状況が続いています。

そこで、まちのゴミ拾いの活動に参加した人に無償で食事を提供する活動を始めました。何か働いた対価としてごはんを食べる、そうすることでお腹が満たされるだけではなく、みんなが少しずつまちを好きになっていくのではないか。また、清掃活動をしている内にまちの人とのあいさつを交わすようになれば、まちへの信頼感・帰属感を取り戻し、まちの一員として誇りを持てるようになっていくのではないか。そんなことを目指しています。

さんやカフェ清掃隊Facebook

2018年4月に始まった活動で、現在は毎週月曜におこなっています。2020年2月10日の地域清掃で85回目となりました。

ホテル寿陽の外国人宿泊客の方も参加されることもあり、山谷らしい多様性の中で人が交流し、社会参加を通して尊厳を取り戻し回復していく、そんな場づくりとなっています。